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2014.8.20
八ヶ岳山麓に響く森のオカリナの音色-2

樹音

現在、桃さんとカンナさんは父の意志を引き継ぎ姉妹ユニットとして活動している。もともと東京で就職していた姉の桃さん。父の仕事が忙しくなってきた頃に母に頼まれて、迷いながらも長野に戻った。保育士になりたいと考えていたカンナさんも父の活動を継ぐことになった。

樹音4

コンサートは年間60回ほど開催されている。地元の長野県内はもちろん、東京、神奈川といった関東圏や名古屋など中京圏から遠くは北海道まで活動範囲は日本全国に及ぶ。さらにはCDも販売している。累計販売枚数は1万枚を超える人気ぶりだ。
ふたりの活動は演奏だけではない。「森のオカリナ樹・音」を演奏する楽しさを伝えるのもふたりの重要な活動なのだ。
「このオカリナはつくって終わりじゃなくて、いろんなところで吹いて楽しさを伝えてまわりに広げていくんです。そうやって少しずつ広がっていったんですよ。オカリナは誰でも吹けるんです。吹けばとりあえず音が鳴りますから。でもね。同時に奥が深いんですよ」(みどりさん)

樹音3

樹・音はただの楽器ではなく、一緒に楽しむためのツールになっている。
「子供たちの前で講習やコンサートを行う機会も増えていき、そのあと大学で保育を学びました。結果的には音楽をやっていたことが保育にも役立ちました」とカンナさんはいう。
「森のオカリナ樹・音」を制作するワークショップや、小学校や老人ホームなどでのボランティアで演奏や実演を行うなど社会奉仕活動も積極的に行っている。

「森のオカリナ樹・音」も「森の笛ポーネ」もつらい状況の中から生まれた。だが、安川さん親子は「大変だったよね。今は笑い話だけど」と明るく話す。
「まるで父が導いてくれたようにいろんな仕事が来るようになったんです。この『森のオカリナ樹・音』を通して、応援をしてくれる人たちにもたくさん出会うことができました。父に音楽を教わったという人に出会えたり……。人と人のつながりって本当に不思議ですよね」(カンナさん)
父・安川誠さんの想いが「森のオカリナ樹・音」や「森の笛ポーネ」を生み出した。その想いは父から娘へ、そしてたくさんの人へと今も広がっている。
きっと、お父さんにも届いているだろう。多くの人に囲まれて2人の姉妹が演奏する「森のオカリナ樹・音」の楽しげな音色が。

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