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2014.8.6
自分たちが本当にうまいと思うものを作りたい。「HAMARA農園」

HAMARA農園

日本有数の高原野菜の産地として有名な長野県の原村。
標高1000mを超えるこの八ヶ岳の麓で「HAMARA農園」は新しいチャレンジをしている。彼らの挑戦は始まったばかり。苦労も多いはず……そんなことを思いながら訪ねたが、実際に会った二人は苦労話も笑いながら楽しそうに話す、そんな若者だった。

HAMARA農園

「HAMARA農園」は折井祐介さんと柳沢卓矢さんの二人で運営している農園。
二人は自分たちが「おいしい」と思ったものを自分たちでつくるだけでなく、自分たちの手で売っている。
農家は野菜を作るプロだけれど、売るプロではない。にもかかわらず、二人があえて直販に踏み切ったのは、理由がある。彼ら自身が本当に「おいしい」と納得できる野菜は、一般的な販路では流通させることができない特殊な品種が多いのだ。
とうもろこし、トマト、きゅうり、じゃがいも……私たちが野菜を買うとき、もちろん野菜の種類は意識しているけれど、実は同じとうもろこしやトマトでも、本当は品種は様々。味や特徴もそれぞれ全然違う。
たとえば、二人がつくる「八ヶ岳トウモロコシ工房」ブランドのとうもろこしは、一般的にスーパーに並んでいるものとは違い、糖度が平均18度もある特殊な品種だ。糖度18度といったら、メロン並みの糖度。野菜というよりも果物のように甘い。通常のものより背が高く成長し2mを超えるが、収穫できる身は小ぶり。1本の苗から収穫できるのはたった1つ。手間はかかるし、収量も少ない。近隣でもこの品種を作る農家はほとんどいない。
「でも、これ、最高においしいんですよ」。折井さんはそう言って笑う。

HAMARA農園

とはいっても、そのこだわりを続けていくのは簡単なことではない。もともと農家の繁忙期は休む間もないほど忙しいが、「HAMARA農園」の二人はさらに仕事が多い。
直販所の店番も、出荷も農作業も、営業もやるのはすべてたった二人だけ。ピーク時には朝4時から収穫や出荷作業。その後、10時には直売所での販売が始まる。夕方の5時に店を閉めると、そこからまた注文のあった品を届け、雑務や翌日の準備……一日の仕事が終わる頃には、24時を過ぎている。
繁忙期はそんな生活が何か月も続く。

だけど、直接売っているからこそ、続けられているというのも事実だ。
二人のもとには、直売所でとうもろこしを試食したお客さんや商品を送ったお客さんからの「あまーい!」「すごい!」「初めて食べた。おいしい!」という声が直接届く。
「これがあるからやめられません。全然元気になります。」と柳沢さんは折井さんと笑いあう。

2014年もまた、二人はさらに新しい品種にチャレンジするという。自分たちが「おいしい」と思うものを食べてもらうために。

HAMARA農園

今年収穫された「八ヶ岳トウモロコシ工房」ブランドのとうもろこし。品種自体、甘みが強いというのもあるが、同じ品種ならどこでも同じ味になるわけではない。「この八ヶ岳一帯の高地は、昼と夜の寒暖差が大きい。土も空気も、水もきれい。だから、ちゃんとやれば勝手においしくなるんですよ」と折井さんが教えてくれた。

HAMARA農園

無農薬で育てられたミニトマトも「HAMARA農園」の人気商品。直売所で売っていても、早い時にはお昼には無くなってしまう。トマトは折井さん自身の大好物でもあり、畑で収穫しながら朝食代わりに食べてしまうことも多いとか。ときには食べ過ぎて「売る分がなくなる」と柳沢さんに注意されることも(笑)。

HAMARA農園

7月後半から9月初旬まで出店する「八ヶ岳リゾートアウトレット」での直売所。
直売所は今は夏季シーズンだけだが、将来的には店舗を持ちたいと折井さんは言う。

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