ヤツガタケノート

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2014.8.9
八ヶ岳山麓の湧水で育つ夏イチゴ

いちえや

小淵沢と富士見町の県境近く、八ヶ岳が綺麗に見える拓けた農地。坂道を登りきると水が湧き出ている。立っているだけで心地良い。湧水を口に含みながら振り返るとビニールハウスが2棟並んでいるのが見える。7月上旬、色づき始めた夏イチゴで満たされたいちえやのハウス内を訪ねた。

いちえや1

今年4月に夫婦ふたりで開業した。当初はハウス4棟で始める予定だった。だが、苗の植え付け準備をしていた2月、あの大雪に見舞われた。遠目で見ても分かった。ハウス2棟全壊だった。
雪害を乗り越えて植え付けしたのは2000株。予定数の半分だ。倒壊した作業ハウスの再建もままならない6月初旬、イチゴの先端が赤くなってきた。ようやくここまできたんだ。

いちえや2

中山さんは下諏訪町の出身。母方の祖父母がリンゴ農家を営んでいた。農業を志した時期は定かではないが、小さなころ祖父についてリンゴ畑に通ったのを覚えている。「ただ、農業が好き」。大学を選ぶときに行き着いた結論はシンプルだった。

そろそろ地元に帰ろうか…都内で観葉植物を扱うディスプレイ会社に就職して数年経った頃だ。そんな時、偶然の出会いもあった。都内で開かれていた就農フェアで父方の実家である富士見町が新規就農者を誘致していたのだ。条件は揃った。「地元に帰って農業をやろう」。大学を卒業した時には踏み切れなかった想いが蘇った。

…続く

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